ちきりんの新刊から「未来の働き方」を考える

人気覆面ブロガー、ちきりんさんの新刊「未来の働き方を考えよう」を読みました。
僕は、ちきりんブログの愛読者で、ちきりんさんの講演会にも何度も参加しています。
そして、僕のブログのテーマのひとつに「ワークスタイル/新しい働き方」があるわけで、この本は僕にとって興味の重なる点に位置するものとなりました。

内容は、ちきりんブログで述べられていたことを深堀したという感じですが、知らない人にとっては、かなり新しい視点が提供されていると思います。

年金支給開始引き上げ問題から、企業の定年は65歳、そして70歳へと延び続けています。
多くの人は、「いつまで働くのか」という問いに対し、漠然と「定年まで」と考えています。
しかし、平均寿命が79歳という現状で、プライベートを犠牲にしてきたあげく、定年後9年で死んでしまうなんてことが、いいわけありません。
大卒22歳から70歳までの48年もの間、「一生ひとつの仕事」というのは、もはや現実的ではないわけです。

本書では、「職業人生は2回選ぶ」ものと考えようと提唱されています。
それは、会社を転職するというレベルの話ではありません。会社員から執筆業、スポーツ選手から起業家など、まったく別の形態での職替えです。
そして、はじめから40代ごろのタイミングで、別の形態で生きる人生を選択し直すという前提でいこう。その前提で、1回目の職を選択しようという提案なのです。

ただ、40代で職業を替えるとなると、「じゃあ老後のストックをどう蓄えとくか」、「どうやって荒稼ぎをして早く上がるか」という発想になりがちですが、本書の提案は違います。
これだけ先の見えない世の中で、長く生きることを考えると、「ストックが多いことより、その時々になんらかの価値を生み出し続けるフローの力の方が重要」だというのです。これには、ハッとさせられますね。

フローの力のひとつとして、企業などの組織からの報酬ではなく、「市場から稼ぐ」感覚を身につけることが提唱されいます。
市場から稼ぐというのは、その昔は庶民にとって当たり前だったことです。
今でも、途上国では、交差点に止まった車に新聞を売る子供や、広場でパントマイムを演じて小金を稼ぐような人はたくさんいます。
それが、インターネットやソーシャルメディアの浸透で、誰にとっても「市場で稼ぐ」ことが簡単になったというわけです。

市場で稼ぐ感覚が身に付けば、第2の選択に幅が出てきます。
1.半年だけ働く「シーズン引退」
2.週に2、3日だけ働く「ハーフ引退」
3.好きな仕事だけを引きうける「わがまま引退」
4.共働きの場合、ひとり1年ずつ引退する「交代引退」

などという、プチ引退も可能になってくるわけですね。

もちろん、引退など必要ないという人もいるでしょう。
たとえば、スポーツ選手でも、個人の価値観は様々です。
プロ野球でいえば、48歳まで現役にこだわった工藤公康もいれば、余力を残しまくって引退した新庄剛志氏もいます。
サッカーでいえば、いまだ現役の三浦和良選手もいれば、あっさり別の場で活躍する中田英寿氏もいます。

とにかく大事なことは、個人の意志で未来を選択できるということです。
社会環境が激変している今、そこにはこれまでは考えられなかった選択が多く用意されているということなんですね。
そういう意味で、気づきを与えられる本でした。

あ、誤解のないようにコメントしておくと、僕は今のところ早期引退派ではないですからね(笑。

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