広告は「メッセージ配信」から「体験提供」へ

前回のエントリー「壊れたモデルの延長上に未来はない」にたくさんの反響を頂きました。
そこでは、従来型のマスメディア中心の広告の延長上では、コミュニケーションが成立しなくなってきた話をしました。
今日は、その続きを少ししたいと思います。

中でも従来とまったく違ってくるのは、「ユーザーインサイト(生活者洞察)」の捉え方でしょう。
これも村上知紀さんの著書「デジタル・クリエイティビティ」に近い考え方が紹介されています。

メディアをベースにした広告だと「クリエイティブ表現」による「メッセージ」を、メディアに載せて配信することが施策の中心になります。
なので、「どんなメッセージだとユーザーの気持ちが変わるのか?」という「心理的なインサイト」を捉えることが大事になります。
「こんな表現やこんなメッセージを届けることで、ユーザーのこれまでの気持ちをこう変える」というものが広告の施策になっていくわけです。

しかし、インターネットやソーシャルメディアが浸透し、テクノロジーの進化でコミュニケーションがインタラクティブになると、広告にはもっとできることが増えていきます。

そんな中で重要なのは、心理的なインサイト以上に「行動のインサイト」になります。
ユーザーがもともと持っている「あんなことしたい」「こんなことしたい」という「モチベーション(行動の動機)」を洗い出すのです。
そして、その実現をサポートしていくということが広告施策の中心になっていきます。

たとえば、ドラマ「半沢直樹」を見ている視聴者は、なにをしたいと思っているのか?
サッカーの代表戦を観戦しているファンたちは、どう行動したいと思っているのか?

その思いに応え、ユーザーの行動できる場を用意して体験を提供していくということです。
半沢直樹を見て、普段のフラストレーションを語り合いたいのであれば、そういう場を用意する。
サッカーの代表戦で選手たちに応援メッセージを届けたいのであれば、それをサポートする。

そんな思いに応えてくれた施策、そこでのユーザー体験が、そのままブランド・ラブを生み、ブランド価値を築いていくわけです。

従来型のメディア中心の広告では、コミュニケーションが成立しなくなってきたと述べました。
しかし、広告のアウトプットは、「表現」だけでなくなっています。
ならば、従来の延長ではない発想でコミュニケーションが成立させることを考えなければなりません。

そのひとつが、広告を「メッセージ配信」から「体験の提供」へと変えていくということなわけですね。
今日はこのへんで(^^