続編「ヤンキー主役の時代到来!」

前回のエントリー「ヤンキーが注目される3つの理由」に、たくさんのアクセスを頂き、ありがとうございました。
今回は、その続編でいきましょう。
もちろん今回も、あくまで、原田曜平さんの著書「ヤンキー経済」の内容紹介と、それに基づく僕の考えを整理するものです。

1.今のヤンキーの定義
ではもう一度、現代社会でやさしく進化したヤンキーについて復習してみましょう。
彼らの価値観は、とにかく「地元愛」です。
小中学校時代の友達と、ずっと変わらない関係を維持し続ける。
そのための就職、結婚、消費を選択して生活するため、上京志向がなく、生まれ育った場所から5キロ四方から出たがりません。
本書では、「都心で活動し、どんどん新しいライフステージに移行し、新しい友達を増やしていく人を、異質で脅威的な存在とみる」と述べられています。
都会に住んでいてもヤンキーも多いといいます。
東京で生まれても、その地元族となっている人は、同じくこのヤンキーに属するわけです。

2.ヤンキーの価値観
本書では、インタビュー調査によって、彼らヤンキーのさまざまな価値観を明らかにしています。
まず、「夢は、あと5万円、給料があがること」という現実的なものだそうです。
いわゆる「社会的成功」に興味がないどころか、昔のヤンキー、たとえば矢沢永吉さんが抱いていたような「ビッグになって成り上がる」的な成功欲もないといいます。

で、「イオンが夢の国」らしいです。
その夢の国は車で10分ぐらいのところにあります。
無印良品、ヴィレッジヴァンガード、ダイソー、家電のノジマなど生活品から、スタバ、サブウェイ、築地銀だこ、サンマルクカフェなどの飲食、マクドナルド、リンガーハットなどのフードコート、TSYTAYA、映画館などなど。
決して大げさでなく、彼らにとっての大型ショッピングモールは、消費生活を支えるだけでなく、「文化的な拠り所」たる極めて重要な存在とのことです。

それから「アニメ、キャラクター好き」です。
ヤンキーとアニメ、キャラクターは、一見違和感のある組合せのように見えますが、実は80年代から親和性が高かったといいます。
キティちゃん、なめ猫グッズはその代表選手。
また、ジャニーズ、松田聖子などのアイドル好きも関係しています。
90年代以降は、男性は「ONE PIECE」、女性は「ディズニーキャラクター」がその代表になります。
イオンの駐車場で、軽自動車の後部座席にディズニーなどのぬいぐるみを並べているか探してみましょう。
今では、「化物語」「涼宮ハルヒの憂鬱」「進撃の巨人」なども人気とのこと。
音楽は、EXILE、浜崎あゆみ、安室奈美恵がテッパンです。

ぬいぐるみ後部座席

一般的に今の若者は「車離れ」していると言われています。
でもヤンキーは、比較的、車を購入しているらしいです。
地元友達命の彼らにとって、車は単なる移動手段ではないからです。
本書では、「大事な地元の友達と親密な時間を過ごし、絆を育む空間であり、自宅リビングの延長」と表現されています。
実際には、軽のバンや小型車などを所有している人が多いのですが、「いずれはアルファードかエルグランドが欲しい」らしいです。
やっぱ、バンなんですね。

あと、ヤンママ、ヤンパパとなる彼らは、子供服に多くのお金を使うようです。
ブランド品を好む彼らは、子供をお揃いのブランド服を着てディズニーランドや地元の祭りに行って、周囲にアピールしたいようです。

そして前回も紹介したように、フェイスブックやツイッターを地元友達との連絡掲示板として、つまりLINEのように使うことも特徴です。
投稿を他の人に見られているという意識が低く、それが「コンビニ冷蔵庫写真事件」や「岩崎京也人気」などで表面化したりします。
本書では、ここ5年で普及したソーシャルメディアが、「昔より人間関係を大幅に広げた若者と、昔より狭い人間関係を密にする若者に分化した」と述べられています。

3.ヤンキー・マーケティング
彼らの消費の特徴は、知らないものを努力して知ろうとせず、かたくなに知っているものの中から選択しようとするとのことです。
本書に、こんなエピソードが紹介されています。
練馬区の地元族男性(とび職20才)にインタビュー調査をしていたところ、「旅行したいが航空券を買うのが面倒」と言うので、インタビュアーをした友達が「ネットで航空券が買えるよ」と教えたところ、かなり驚かれたそうです。
つまり、彼らはすでにある多くのサービスを「知らない」から利用していないわけです。

マス・マーケティングは、かなりのボリューム層である彼らを無視できなくなっています。
というか、もはや「マス=大衆」とは、彼らヤンキーを指す言葉になりつつあります。
飲食、生活用品、電化製品などのマス・プロダクトや、テレビ番組や映画などのマス向けコンテンツなど、すべては彼らの志向を第一に戦略構築されるべきなわけです。
その勘所を外した商品やサービスが世に出てしまうと、結果的に「消費離れ」を起こしているように見えてしまうのかもしれませんね。

ちなみに、僕自身は、マス・マーケティングの次のマーケティングを目指しています。
なので、彼らの価値観にはとっても興味あるのですが、「ヤンキーマーケティング」自体を仕事にしようとは思っておりません。
そのあたりご理解いただければと。
今日は、このへんでー(^^