プレゼンで一番大事なこと

先月の話ですが、「アドテック東京2014」というデジタルマーケティングの国際カンファレンスで話をさせていただく機会がありました。
「共創マーケティング」という今まさに取り組み中のプロジェクトをテーマにしたこともあって、ちょっとモヤモヤした話になってしまい、もう少し価値のある話ができなかったかなあと、ちょっと後悔しています。

仕事柄、人前でプレゼンする機会が多いこともあって、2年前に「学校でも会社でも教えてくれない企画プレゼン超入門」という本を出版しました。
でも実は、僕はプレゼンが得意な方ではありません(と、自分では思っています)。
だからこそ、他の人のプレゼンをいろいろと学んで本にまとめたというわけです。

そんなこともあり、プレゼン関連の書籍の新刊を目にすると、迷わずに買って読んでしまいます。
勝間和代さんの新刊、「稼ぐ話力〜相手を腹落ちさせるプレゼンテーション術(毎日新聞社)」も読みました。

この本、現在amazonで、4つのレビューが4つとも星1つという恐るべき低評価となっています。
最近の勝間さんの本って、どれもこんな評価になってしまいますが、いつからこんなにアンチが増えたんでしょうか...。

ま、確かにどこかに書いてあった情報を編集したような薄めの内容ですし、何より「稼ぐ」という煽りタイトルが、今の空気感にそぐわないとは思います。
でも、気づきのある言葉もあるし、極めて基本的な話ではありますが、要点も整理されています。
せっかく読んだので、ちょっとメモしておこうと思いました。

冒頭で気づかされたのは、「うまいプレゼンは、うまい日常会話の延長線上にある」ということです。
つまり、「普段の話し方がうまくないのに、プレゼンだけがうまくなることはない」ということ。
プレゼンの上達には、普段のコミュニケーション力の向上が必要だというわけです。

その普段の話も含めて「伝わらない」原因は以下の3つだと述べられています。

1.話しすぎー余計な情報を話しすぎて要点がつかみにくい。
2.そもそも日本語が論理的構造でないー英語のように価値観の違う多民族を対象にした言語でない。
3.相手の存在を忘れているー自分の言いたいことだけ言って、双方向の対話になっていない

これらの課題を以下の基本ステップで解決しようと述べられています。

1.相手に軸を置くー相手が聞きたいこと、聞きたい順番で話す。
2.全体像から話すー最初に「目次」を伝える。
3.情報密度に気をつけるー対話できずとも相手にとって価値ある情報の含有率を高める。

この改善された「内容」と「資料」と「非言語コミュニケーション」を掛け合わせて、どれだけ相手にを腹落ちさせるかというわけです。
本書の最後の方には、この「資料」、つまりプレゼンスライドの作り方、「非言語コミュニケーション」、つまりジェスチャーや身なりについても述べられています。

ま、そりゃそうだろうという感じですが、いいアタマの整理になりました。
でも、伝わるプレゼンのためには、もっと根本的なところで大事なことがあります。

それは、「プレゼンターが、誰よりもプレゼンの内容を理解していること」だと思います。

これは本書でもさらりと触れられていますが、僕はこれが、最も重要なことだと思うのです。
ネットで集めてきただけの情報や、借り物のフレームワークではなく、自分が経験し自分のアタマと言葉で組み立てた内容であることが説得力を生み、人の気持ちを惹き付けるということです。

僕の周りでも、魅力的なプレゼンをする人がたくさんいます。
彼らに共通する点は、「その本人にしか話せない内容である」ことです。
なぜ本人にしか話せないか。
その本人が、自分の経験を元に自分のアタマで考えたことだからです。
それは、誰よりも本人が内容を理解しているということです。

本当に聞きたい話であれば、下手な話し方でも本人に話を聞くしかない。
話力といったテクニカルなものは二の次になります。
これこそが、プレゼンで一番大事なことだと思うわけです。

これが大前提の上で、話力の向上に努められれば、それに越したことはありません。
はい、今日は、このへんで(^^

※勝間和代さんの著書、ボロカスの低評価ですが一応紹介させていただきます。

※こちらは拙著