プラットフォーム戦略。合コンで得をするのは誰か?

僕はよく企画で「プラットフォーム戦略」という言葉を使うのですが、たまにどうも話が噛み合ないということがあります。
たぶん、プラットフォームという言葉の解釈が違うんでしょう。

プラットフォーム戦略は、シンプルですが、すごくパワフルなものです。
ずいぶん前の本ですが、「プラットフォーム戦略/平野敦士・アンドレイハギウ著」では、合コンを例に説明していて、とても分かりやすいです。

合コンは、ビジネスでいうと「婚活パーティ」や「お見合いクラブ」というものになるのでしょう。
このビジネスモデルはシンプルにいうと、例えば男性1万円の参加費、女性は無料として、男女グループをマッチングさせる「場」を提供するというもの。

幹事である自分は特に魅力的なサービスがなくても、魅力的なメンバーを集めることで、その場を魅力的なものにするというものです。

さて、この戦略で噛み合なくなるのはここなのですが、この場をどういうしつらえにするのがよいかという問題です。
1万円という参加費を支払う男性をもてなすのか、無料で参加する女性をもてなすのかということ。

通常のビジネス発想だと、お金を払ってくれる男性がお得意様であり、もてなす対象です。
合コンの場は、料理もインテリアもBGMも、みんな男性向きにするべきだと考えるでしょう。

でも、プラットフォーム戦略では違います。
無料で参加する女性の嗜好を優先するのです。
料理もインテリアもBGMもみんな女性向きということ。

なぜでしょう?
男性趣味の場は、はじめは男性は集まりますが、そのうち肝心な女性が集まらなくなってきます。
これではビジネスは破綻しますね。

一方、女性趣味の場は、たえず女性が参加しつづけてくれます。
なので、それを目当てとした男性もたえず集まりビジネスは継続していくということになります。
実際に、前者の会社は破綻し、後者はうまくいっているという話を聞きました。

つまり、プラットフォーム戦略では、場を維持するためのエコシステムを構築することが大事なのです。
この原理さえ理解していれば、合コンというビジネスで、幹事が一番得することが可能になるわけです。

スライド1

僕の話に戻すと、場のしつらえを男性向きにしようとする人たちに、「いや、女性向きにしないとダメです」と説得することが多いということ。

話を大きくすると、グーグルだって、フェイスブックだって、アマゾンだって、アップルのiTunesだって、みんな無料でつかっているユーザーの方を向いています。
さきほどの本には「モノづくり大国だった日本が凋落した原因のひとつはこのプラットフォーム戦略の欠如だ」と書かれていました。
プラットフォームの原理を理解することも大事だし、もはやモノ単体の価値ではなくプラットフォームの一部としてどういう価値があるかが重要だと理解することも必要なわけです。

広告会社も、かつてはクライアント企業とメディアをつなげる、いわばプラットフォーム的な役割を果たしていました。
この場合(誤解を恐れずにいうと)、メディアを好待遇することで枠を確保し、クライアント企業から出稿をいただいていたわけです。

でも、インターネットの登場以降、時代は変わって、広告会社はクライアント企業と生活者をダイレクトにつなげることが可能になりました。
プラットフォーム戦略を考えるならば、広告会社は、企業と生活者のマッチングの場を提供する必要があります。
その場合、生活者に向けたしつらえをどれだけできるかということになっていくわけです。

生活者とダイレクトにつながって、オーディエンスデータを保有して、それをネタに企業やメディアを誘致する。
生活者に直接コンテンツが届けられるのなら、クライアント企業やメディアですらもこのプラットフォームを活用すると思うのです。

広告会社は合コンの幹事だ。
と、僕、もうずっと昔からこの話をしているのですが、業界周辺で目立った動きがないような・・・。
僕が知らないだけで、どこかでちゃんと進んでいることを願うばかりです。
今日はこのへんでー(^^

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