現地速報:カンヌライオンズ2015 その3

8日間に渡るカンヌライオンズでは、そろそろ中だるみ感が出てくる時期ですね。
いつも人でごった返しているセミナー会場やアワードでも、比較的席に余裕がある感じがします。
一方で、周囲のレストランなどは昼間から酒盛りが始まっていたりとか。
こういうのは、世界共通なんでしょうかねえ。

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さて、昨晩は、ラジオ、デザイン、プロダクトデザイン、サイバーの4つの部門の授賞式でした。
まずは、ラジオ部門。
グランプリは、SoundCloudというドイツの音声ファイル共有サービスが実施した「The Most Unbearable Radio Ad」というものでした。
これはベルリンの壁崩壊25周年を記念に、当時のさまざまな音源をミックス。そのデジタル上の波形が、ベルリンの壁を表現するデザインになっているというもの。
わざとでしょうがその音は、銃声とか悲鳴とかがミックスされて、すごくオドロオドロしい感じに仕上がっています。

ラジオ部門は、ラジオCMという表現で考えると、日本からいちばん疎い部門かもしれません。
しかし今回のように、ラジオメディアの新しい体験をつくるというふうに考えていくと、もっと日本でもやれることがあるかもしれませんね。
3年前にブラジルのGo outsideという雑誌が、蚊をよける超音波ラジオCMでグランプリを獲ったことがありましたが、あれをちょっと思い出しました。

次はデザイン部門。
グランプリはボルボUKの「Life Paint」。
プロモ&アクティベーションに続いて2冠目です。本当にボルボ強い。
自転車事故を防ぐためヘッドライトに反射するスプレーですが、前回紹介したので、省略しますね。
ちなみに、デザインは日本勢がもっとも活躍する部門で、ゴールドではJR東日本の「行くぜ、東北」など3つの受賞がありました。

次はプロダクトデザイン部門。
グランプリは、カンボジアで実施された「The Lucky Iron Fish Project」です。
カンボジアでは国民の半分が、鉄分不足に悩まされているらしいです。
知らなかったのですが、認知症とか成長障害へと影響するらしい。
そこで現地で幸運の象徴である魚の形をした鉄のかたまりを販売し、調理鍋に入れて料理する習慣を普及させたというものです。
しかし、世の中には僕らの知らない課題が満載なんですねえ。

そしてサイバー部門。
グランプリは、米国のスポーツブランド、アンダーアーマーの「I Will What I Want」です。
ブラジル人モデルがこのCMに起用されたとき、SNSが誹謗中傷で炎上。
これを逆手にとって、そのメッセージをスタジオに投影して、彼女がキックやパンチ、竹刀を振り回したりしてやっつけていくという企画を実施、これがまた話題を呼ぶというループを実現しました。
「I Will What I Want」のコピーとうまくマッチして、より強いブランドメッセージになっていますね。

まだ中盤ですが、ちょっと潮流が見えてきましたね。
これまでのソーシャルグッドはもっと日常的なハピネスの追求をしていましたが、今回は世界のさまざまなところにある、人間の生き死にだったり、女性の偏見払拭だったり、ものすごく生々しい課題の取り上げに傾向してきたように思います。

意地悪くいえば、世界中に眠っている僕らの知らないような課題をいかに見つけてくるかに、みな躍起になっているようにもみえます。
課題発見の大航海時代ですかね。

今日はこのへんで(^^