ザハ氏のプレゼンに学ぶ「費用」を「投資」に捉えなおす方法

世の話題はすぐに劣化してしまいますので、すでに昔のことのようですが、新国立競技場の建設計画は、2520億円という大きな費用が問題とされ白紙撤回となりました。
で、こちらも時間が経ちましたが、それに対してデザインを担当した建築家のザハ・ハディド氏が、動画プレゼンを公開して話題になりましたね。

白紙撤回については意見をいう立場にないのですが、このザハ氏のプレゼン動画は問題の捉え方とプレゼン手法の事例として学ぶところが大きいですね。
純粋にこのプレゼンについて考えてみましょう。

ザハ氏はこの動画プレゼンで、デザインの必然性や工期、費用について説明し、「建設費を減らすためだけにゼロからデザインをやり直すことはリスクを増やすだけだ」と述べています。
詳しくは下記の動画を見ていただければと思いますが、説得力があるという声がネット上でも多数上がっていますね。

ザハ国立競技場
※これはサイト画像です。動画は以下リンクから。
ZHA ビデオプレゼンテーションとレポート―新国立競技場 東京 日本

このプレゼンの説得力はどこにあるのでしょう?
それは、ザハ氏がこの建設を「費用」ではなく「投資」と捉えて企画を組み立てているところです。

プレゼンには「ビヨンド」や「レガシー」といったキーワードが出てきます。
これは「このプランは2020年以降を見据えてのものです」ということ。
お金が掛かるデザインの一つ一つには、2020年のオリンピック・パラリンピック開催後に初期建設費を回収し、その後の運営費を生み出していくための理由があるわけです。

何事も「予算を使う」という発想だと、掛かるお金を「費用」としか捉えられず、できるだけ抑えよう減らそうという考えになってしまいます。
でも、このように「これから継続運営していくビジネス」と捉えると、「投資」という発想が必要で、初期投資の金額ではなく、どうやって回収していくかという「プラン」の方が重要になるわけですね。

これって、広告会社がクライアントにプロモーションの提案プレゼンをする際にも考えなければならないことです。
プロモーションや広告を「単発の費用」と捉えてしまうと、施策や表現の良し悪しについて、「トンマナ」や「世の中の空気」とか「今、イケてる」とかで説得しようとしてしまいます。

でもこれを、「クライアントにとっての投資」と捉えると、その施策や表現が「どのように人を動かすか」、「その結果どれだけ商品やサービスの売りに貢献できるか」、「他の投資に比べてどれだけ効率的な回収が見込まれるか」で良し悪しを説明することになります。

どうでしょう?こういう説明だと、説得力がありますよね。
実際、僕もこういうプレゼンをするようになってから、企画が通る確率が上がりました。

そしてこれは、あらゆる企業活動、社会活動に言えることだと思います。
これまで「費用」だと思っていたものを「投資」と捉えなおすと、これまで行き詰っていた問題に新しい解決策が見えてくるかもしれませんね。

では今日は、このへんで(^^